「庭」の持つ意味
「庭」の持つ意味。
簡潔に表現してみろと言われても、私どもでは中々難しいです。
エクステリアの父と言われる杉本英則さんの著書「自然浴生活のすすめ」出版:エクシスの中に 参考となる一文がありましたのでご紹介します。
「家の建築と庭の創作は根本的に産業構造が異なります。前者は設計図を設計事務所が作成し、現場の作業を建築会社がを行う組み立て業であるのに対し
後者は現場をカンバスにした作品創作業です。
現場の作業者が揃えておかないといけないのは、自然界の生態系や庭や人間の生活に果たす役割についての知識です。
また、その構築に必要とする現場作業にどんな差があるのかをしっかりと分析して理解すること肝要です。
エクステリア産業が家の建築産業の付属品となり吸収されてしまうことを恐れます。
なぜなら「命」とか「心」とか「ふれあい」をテーマにしたエクステリア産業が、これから果たすべき役割は大きいからです。
ものづくり産業に片寄り過ぎている今日の社会を、物と心の調和のとれた社会に改築するという、人類にとっての大きな使命をエクステリア産業がに担っているからです。
生きるもの全ては、宇宙と自然界の摂理によって生かされています。
人は日常生活において家庭を構成する「庭」で過ごすことで、宇宙や自然界の営みと繋がり、心を重ねることができます。
母なる自然との触れ合いを通して、安らぎを享受し、健康を育み、精気を養うことができます。
私たちは、もっと「庭」が持つ様々な価値観をしっかりと理解し、なぜ人間の生活する場所が家でなく「家庭」であるのかを知るべきです。
エクステリア産業が提唱する理念は、まさにこれににあるのです。
以上です。
現状に重ね合わせると、新築住宅でも駐車場やアプローチが既に出来上がっていて引き渡される物件も見られます。
どんな、家族が住むか分からないのに、駐車スペースやアプローチの位置をなぜ決められるのでしょうか?
中にはポスト等もついてる物件もあります。
お客様がポストを選ぶ楽しさはどうすれば良いのでしょうか?
まさに、「エクステリア産業が家の建築産業の付属品となり吸収」されてしまっている状況ではないでしょうか。
弊社の現場は、打合せから着工まで半年ほどかかる現場もザラにあります。
それは、本の中にもありますが、本当に「現場をカンバスにした作品創作業」だからです。
ひとつ加えさせて頂けば、我々業者だけでなくお客様との協働の創作作業です。
「あーしたい」「こーしたい」を何とか形にしたいと一緒に考えていると、時間があっという間に過ぎてしまっています。
そうやって、「庭」が出来て「家庭」になって家族の価値が深まります。
新型コロナウィルスの影響で外出自粛を強いられる現状ですが、ちょっと庭に出るだけでも自然を感じ、ストレスは軽減されると思います。
庭が無くてもバルコニーやベランダにプランターや鉢に植物を植えて、水をやるだけでも違うと思います。
自然を感じられる瞬間を、毎日の暮らしの中に少しでも取り入れて頂ければと思います。
免疫力が上がりますよ。
2020年4月21日
カテゴリー:自然浴生活の実践